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ことばは矢のように、あなたのこころに突き刺さる。 あやふやで不安になることばも その傷が癒えることばも。
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春が近づいてきて
突然何の前触れもなく古池の夢を見た。

人間の記憶はたぶん
ミルフィーユのように
津軽塗のように

その上に幾重にも別の記憶を重ねることで
ただ、見えなくなっているだけ。

だけどミルフィーユみたいに甘くない。
酸っぱいイチゴのような
胸の中が苦しくなる。

思い出は
甘いだけじゃない。

こうやって重ねても重ねても
時々ひょっこり顔を出す。

あなたの記憶。

死ぬ前に一度だけでいい
ごめんなさいと言って
許してもらう事はできるだろうか

それまでどうか生きていて欲しい

津軽塗のように
重ねて重ねて
わざとそれを磨いては
一番下の色を見せるような。

だけどその一番下の色には
幾重にも幾重にも
知らなかったような色が取り巻いている。
それは私の知らない色
あなただけが重ねた色

厚く、重たい。

私には分からない色


同じように私にもある

記憶のミルフィーユ

あなたの知らない私の重なり

甘いだけじゃ、ないケーキ

磨いてみないと見えない色。


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