彼の手にはほくろがあって
私に良く「星を握って生まれてくるっていうけど、俺の場合は握り損ねて生まれてきたんだ」
なんて笑ってた
そう、彼の手の平の端にある
小さなほくろは
握り締めても中には入らない
孤高の金星みたいな星だった。
彼に、会わなくなって16年。
今年はつい手紙を、送ったりしてしまったけど
今の私がどんな風になったか
知ってほしいという自己満足だけだった。
もちろん、返事は返っては来ないけど
あのね、
私にも星が出たんだよ
私の手にも、星が出たの
だけどあなたとおんなじで
私も星を握り損ねてる
こうやって
勝手につながってていいですか。
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