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ことばは矢のように、あなたのこころに突き刺さる。 あやふやで不安になることばも その傷が癒えることばも。
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突然原稿の依頼。
「あ、もとさん、すいませんあした印刷する会報、2ページ分よろしく!」
編集者とはなんと身勝手なのだろう・・・

しかもテーマまで決められてた!
ということで↓の原稿をあげました。2時間でかけってひどいよ~

「日本の医療について思うこと」                                                                                                                   

日本の医療は、一体何を目指し、どこへ向かおうとしているのだろうと
考えることがある。

それは、私が医療現場で働いていて、常に感じることだ。
日本の医療費は、マスコミやメディアから得られる情報では

「国民は医療費を使いすぎ」

「医療費が高額だからいけないんだ」

「簡単なことで病院にかかるから、医療費がかさむ」

そういったネガティブな面ばかりである。なぜ、どういったことで
「使いすぎ」と言われるほど使ってしまっているのか、そしてなぜ
「高額医療」になるのか、そういった問題の中心には目もくれず、
ただ結果だけを批判し、悲観し、そして私たち国民の負担を強いてい
るだけのように感じることもしばしばある。

国の言い分は、これから高齢化社会にむけて、高齢者が皆医療を受
けるとなると、医療費を使う人間が増える。それにより医療費が増える
→だから、高齢者の医療負担を増やそう♪
ということである。
しかし、「高齢化社会になる」と「医療費が増える」はイコールだろうか?
高齢化ということは、若い世代の人数が少なくなることである。最近では
「少子化」の問題が大きく取り上げられている。つまり、日本の人口は減
少傾向を示しているのである。医療を受ける絶対的な人数は、増えるど
ころかこれから減っていくのではないかと考えられる。

それを高齢者が医療を受けるから医療費がかさむ、などとは、なんという問題
のすり替えだろう。医療費がかさむ根本的な原因は保険点数が高いからだが、
日本の医療費が全体的に高いわけではない。
保険点数は110円と決まっているが、それは一つのことをしてたったの数十
円(数点)しか医療費として申請できないものから、数万点のものまでそれこ
そピンからキリまでなのである。
例えば、医師が血液検査をするとき、患者さんの血管に注射器を刺すその技
術料は、たったの11点(110円)である。何度刺しても、何箇所さしても11点のまま
である。

そうかと思えば、心臓や脳の手術では1回の手術につき7万点前後である。そし
て手術中に臓器の病理検査(その組織が病気に侵されているかどうかの検査)
をしたら、さらに数百点から3千点近くの点数がかかる。(もう一度確認するが、
1点は10円である。3千点は3万円)
それをまるで、日本の保険点数が全て高すぎるかのように解釈し、
「だから医療費がかさむのだ。保険点数を引き下げてしまえ!」などとは、あまり
にも飛躍しすぎではなかろうか?

ここで注目すべきは、高度なテクニックを要するものに対しての保険点数は飛躍
的に高く、あまりテクニックを要しない手技は点数が低く設定されている。つまり、
医療費が高いのは、高度な医療を患者に施しているがゆえの結果である。

別の考え方をすれば、高度な医療点数を請求できる「高度医療」を行える日本と
いうのは、ある意味誇れることではないかと思う。高度で先進的な医療を行ってい
るからこそ、医療費がかさむのである。それを、単に
「医療費が高い。じゃあ保険点数を低くしよう」
では、あまりに発想が貧弱だ。
さらに言えば、「簡単な医療非を国民に負担させよう」としたって、焼石に水とはこの
ことだ。数十点の患者の負担を増やして、いったい幾ら節約になるというのか。
さらに「医療費の負担が今非常に重く、これから先医療費が増え続けたら国が破産する」
とも言われている。でも、国が負担している医療費は、医療費全体のたったの3割程度で
あることを知っているだろうか。
残りの7割は、いわずもがな私たち国民が負担しているのである。国はその3割の負担額
も「お金が無いから払えない」。だからといって国民にさらに負担を強いるのは本末転倒で
はないか。

国のお金が足りないから国民に負担してもらおう!と安易に考えるその前に、税金の無駄
使いや賄賂をどうにかして欲しいと私は言いたい。無駄に税金を使いまくり、そのため本当
に必要な物へのお金が足りなくなる。国民の税金は国民が生活するうえで必要なものに使
うべきではないだろうか。

政治家のみなさんは私たちの意見をまとめ、私たちに代わって国づくりをする文字通り
「代議士」 である。
その方たちが、私たちの意見を無視し、料亭での接待や賄賂に血税を使ってしまうなん
て、まるで親からのお小遣いでは足りず、お金が足りないのは無駄遣いをしている自分
が悪いのに「親の小遣いが少ないせいだ!」とさらにせびるドラ息子と同じ。しかもそれ
でも足りなかったら財布からこっそり抜いたりして。(税金がこっそり増額されて給与か
ら引かれてしまうのも同じ?)
SICKO
を鑑賞し、医療現場に携わる人間としてこのようなことを考えてしまった。

医療従事者のみなさんに言いたい。
私たちはけして「点数」で決められるようなことをしているわけではありません。

たとえ医療現場を知らない人に減算という不遇な扱いをされたりしても、けして私たちが
行っている医療が否定されていることではないということを心に留め、今患者さんの必
要とする医療を精一杯提供していこうではありませんか。

(若干変更点あり)

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