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ことばは矢のように、あなたのこころに突き刺さる。 あやふやで不安になることばも その傷が癒えることばも。
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田舎から帰ってきて
時間の流れが止まったみたいです
今 夏なのかどうかも解らないような
そんな日々をつい先日まで過ごしていました
気づかないうちに夏が 私の両手をすり抜けて
あっというまに流れ落ちたようです

故郷の青い森では
ねぶたが始まりました
一度も見たことがないけれど
もう二度と 見ることも無いでしょう
ねぶたまつりで はねとが通った跡に
銀色の鈴が いくつか落ちています
浴衣に縫い付けた鈴がちぎれ落ちるくらい
激しくはねるのですが
その鈴は 一つに付き一つのお願いを
叶えてくれると言われています
私もむかしむかし
弘前に住んでいる友達に拾ってきてもらったことがあります
2つの鈴を拾ってきてもらって

ひとつは 受験がうまくいきますように

もう一つは 好きな人とうまくいきますように

と、子供ながらにお願いしたものでした
(結果は二つとも無事適いましたよ)

あれから20年くらい時は経ち
今ではそのねぶたの鈴さえ 
見かけることが無くなりました
あの時の二つの鈴は
一体今頃どこに行ってしまったのだろう
私が家を出た後
実家では私のものをすべて焼き払ったと言っていたけれど
あの鈴も 一緒に炎に投じられてしまったのだろうか

夏の一瞬を通り過ぎるだけの
鈴の音は
耳の中で 心の中で
遠く遠くから 聞こえてくる
いつだって 私の中で鳴り止まない。

鈴が一度 しゃりん、と鳴る度私は
コイケに会いたいと思ってしまう
もう二度と会えないところに 行ってしまったというのに

しゃりん。

しゃりん。

鳴り止まない鈴の音

あの時に私も
一緒に樹になってしまえば良かった。

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