いままで霧がかかっていた世界に
まるで光が降り注いだように
どこかで霜を下していた私が
まるでゆっくりと暖かい日差しで溶けたように
心の月は満ちている。
求めても求めても
二度と触れることが出来ない。
代わりに触れられるものを求めては拒絶され
その理由がなにかも分らなかった日々。
でも今は
こんなにも満ち足りた気持ちに
なっている自分がいる。
どうしても自分の中で埋められなかった
人間が生きていくために必要な
目に見えないもの。
それを、やっと手に入れて私は
昨日も今日も、これからも
生きることが出来ると
そう確信している。
何十年かかかっただろう
心の月が欠けて、再び満ちるまで
一体いくつ傷ついて
失ってはまた 求めただろう
心の中にあなたがいる。
ただそれだけのことなのに
私はただこれだけが足りなかった。
私が私であるために必要だった
どうしても埋めたかった
まるで月のクレーター。
美しい瞳にたたえる光を
私はもう、一生忘れない。
もう迷わずに生きられる
あなたがいた。
あなたがいる。
私の不完全だったピースが
18年たった今
もうすぐ、別の形で埋まろうとしています。
あの時もそうだった。
突然会えなくなって
連絡をやめて
私は私ではなくなってしまった。
でも立ち上がって恋をして
あなたと同じかけらは無いんだと気付いて
違う形のかけらを探しては
私はそれを失い、自分を見失うほど壊れて行った。
そして今
私はまた、大切な人を失って
私が私でなくなっていくほど壊れてしまった。
だけど久しぶりに聞いた声。
何も変わってなかった。
あなたといたときの私ではない私と
18年の時を超えてやっと
人と人とであえる日が来るんだ。
失ってまた、歩き出す。
掌の真ん中指でこすって
おまじないした後だったのに会えなかったあなたに
どうして恋をすることを覚えたんだろう
知らずにいればきっと今も笑えてたのに。
あなたに会いに行く。